JPTHELAZYのブログ

大学生の雑記ブログです。日常生活の出来事や気になっているものを取り上げていきます。

マルチ商法と友達について

二年前の冬だったと思う。

 

日付をちょうどまたいだくらいに今は無き家の近くの喫煙所で一人タバコを吸っていた。

 

大した悩みもないのに打ちひしがれた大人の真似事をしながら険しい表情で煙を吐く。

 

急に電話がなった。 長い付き合いのある地元の友達からだった。

 

久しぶりの連絡に驚きと嬉しさを感じながらスマホを耳に当てた。

 

「最近どう?」からはじまるたわいのない会話に違和感を感じていた。

 

(暇電する仲でもないのにどうしたのか、、要件はなんだろう、、今から飲もうってやつか?)

 

違和感の答えはすぐに出た。

 

「突然だけどさ、今100万円あったらどうする?」

 

「え?」

 

 

その一言ですべて理解した。

 

ついに俺のもとにもきてしまったか。。。

 

二つの感情が同時に現れた。

 

一つは、「あ! これ進研ゼミでやったとこだ!」

 

を彷彿とさせる

 

「あ! これ中学校の時家庭科で習ったやつだ!」

 

というやつだ。

 

十中八九マルチの勧誘だと確信したし、それは間違いではなかった。

 

 

もう一つは、悲しみだった

 

自分の周りはリテラシーの高い人間が多いと確信していただけあって、マルチの勧誘なんておとぎ話だと思っていたのだ。

 

 

急にテンションが下がってそこからの会話はほとんど覚えていない。。

 

「今度、色々紹介したいから先輩と話そうよ、他の奴らも誘ってるからさ」

 

「ああ、考えとくよ」

 

 

テンションだだ下がりで電話を切ったオレは焦燥感に満ちていた。

 

 

その後も何度も先輩を紹介したいとのお誘いが来たので、仕方なく渋谷のカフェに同行することにした。

 

 

まあ正直面白いもの見たさで行った節もある。

 

渋谷のカフェではコーヒーをおごってもらったが、それには全く見合わない苦痛な時間だった。

 

話の要点はうろ覚えだが以下の通りだ。

 

  • サラリーマンの年収では老後を生き抜くことは不可能(よくわからない計算式と共に)
  • 自分で働くのではなくお金に働かせるべき(いわゆる金持ち父さん貧乏父さんのような話)
  • 投資で確実に儲けられるシステム(50万円)があるから購入がおすすめ
  • 仲間内でシステムを広げてみんなに自由な生き方をしてほしい

 

とまあこんな内容だったと思う。

 

ツッコミどころはいくらでもあるが、懸命な読者の方々にはあえて説明しない。

 

 

帰り道で、友人の彼から援護射撃のように、システムと組織のすばらしさを説かれたが、オレはすでに心そこにあらずだった。

 

はやめに断らないとめんどうなことになりそうだったので、帰りの電車でしっかりと断った。

 

何度か粘られたが最寄りの駅に着くまでには折れてくれた。

 

そこから勧誘の連絡は一切ない。

 

 

 

 

 

 

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マルチ商法が大嫌いだ。

 

価値のない商品を買わせて、購入した額を回収するためには人を紹介して買わせるしかない。

 

お金がないと言うと一緒に学生ローンまでついてくるらしい。

 

必ず勝てる投資システムなんて存在しないし、仮にあったとしても変凡な大学生に50万で売ったりしない。

 

誰にも言わずに自分で儲け続けるか、孫正義にでも売ればいい。きっと大喜びで買うはずだ。

 

マルチ商法ねずみ講と違って犯罪にはならないらしいが、どう考えても詐欺でしかないわけだ。

 

買う方もバカだけど、大学生をターゲットに汚い商売をする詐欺師は骨の髄まで腐りきってるなと思う。

 

仮にたくさんの人を紹介出来て、大金を獲得できても、多くの人をだまして不幸にした金なんて縁起が悪すぎる。

 

 

彼以外にも数人から勧誘を受けたけど、ホントにどうしてしまったんだという気持ちしかない。

 

君がやっていることは友達を騙しているんだぞと、信頼を金に変えているんだぞと

 

それに気づいていないのだろうか、

 

まあ気づいていても気づいていなくても救えないなと思ってしまうよ。。。

 

 

 

 

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この話はもうずいぶん前の話だし、彼らともほとんど連絡をとっていないのでその後どうなったかはわからない。

 

ただ、この経験で傷ついたし、同時に考えさせられることがあった。

 

 

「友達」についてだ。

 

渋谷のカフェで話を聞いたのは勧誘を受けた一人からだけだし、それも途中で断ったので、実際に彼らの組織がどんなことをやっているのかは正直わからない。

 

でも少なくともオレはマルチだと確信したし、それを続けることが勧誘してきた彼らのためにはならないことも十分に理解していた。

 

理解していたけど、それを彼らには伝えなかった。

 

めんどくさい勧誘から逃げることに終始して、友達と向き合う勇気がなかった。

 

それはおかしいんじゃないかと言えなかった。

 

衝突して傷つくことやエネルギー消耗することが怖かった。

 

マルチ商法なんかにハマる奴はこっちから願い下げだという気持ちの反面、彼らと向き合って自分の意見をしっかり伝えるべきだったのではないかと少し後悔している。

 

もし自分が誤った道に進んだ時、友達にはそれを真っ向から指摘してほしいと思う。

 

オレはそれが出来なかったなと思う。

 

 

 

オレは良くも悪くも人に対して強い指摘が出来ない。

 

その場しのぎのバランスのとれたことを言ってしまう。

 

相手が間違っていると思っても衝突を避けるため、テキトーに笑ってごまかしたりしてしまう。

 

人間関係にとどまらず、目の前にある問題や課題、疑問から目を背けるのは結局遠回りをしてしまうし、むしろ悪い結果を生み出しがちだ。

 

 

こうした自分の態度が良くないと認識できたこと、そしてそれを少しでも直そうとしていることは進歩だと思うけど、それでも逃げてしまうことは良くある。

 

 

事なかれ主義で逃げるのではなく、目の前の課題に勇気を持って挑むことが一番の近道ということを忘れずに精進したいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S    悪徳マルチ ダメ ゼッタイ!